7月7日は「七夕」の日とされていますが、この「七夕」は秋の季語であるということをご存じでしょうか。

【暦の話】プロローグで紹介した通り、秋は「立秋~立冬の前日」と定義されますので、旧暦に従えば7月~9月が秋ということで、江戸時代に芸術として完成した俳句(俳諧)において「七夕」は秋の季語となるわけです。

ここで問題が発生します。

「立秋~立冬の前日」という暦に従えば、2021年は8月7日(立秋)~11月6日(立冬の前日)が秋ということになっていて、七夕祭りで有名な神奈川県平塚市や宮城県仙台市(東北三大祭り)では、本来の「立秋」に合わせて8月初旬を祭り期間としています。

一方「7月」という月にこだわれば、七夕は7月7日の行事となります。

どちらが正しいかという判断は難しいところですが、暦に従った8月上旬であれば、「天の川」や「織姫」「彦星」そして「夏の大三角」といった七夕にちなんだ夏の星座たちを、夜空に眺めることができるのに、7月7日は梅雨の最中で、統計によれば4年に1度しか晴れ間を望めず、「星に願いを」かけることは難しくなります。

 

以上、新暦と旧暦が入り混じって複雑な年中行事のひとつがこの「七夕」なのです。

地域ごとにそれぞれの解釈で行われる「七夕」の行事。果たしてどちらがあるべき姿なのでしょう。

あなたはどう考えますか。

東京の地元で7月7日に七夕を、そして神奈川県平塚市もしくは宮城県仙台市に足を運んで8月上旬に七夕祭りを楽しめば、「1粒で2度おいしい」行事とも言えますね。

文責:石井