平安神宮の鳥居の大きさには目を見張ります。

 左京区岡崎にある平安神宮は、平安遷都1100年を記念し第50代桓武天皇を御祭神として明治28年に創建されました。

 幕末から明治維新にかけての動乱、および東京奠都(てんと)で、物理的にも心理的にも荒廃・衰退した京都を復興する際の、ひとつの象徴的な建築であったと想像されます。

 ※「遷都(せんと)」と「奠都」はほぼ同義と考えて間違いありませんが、遷都がこれまでの都を廃して新都に移る意味であるのに対して、奠都は単に新しい都を定めるという意味で、これまでの都(京都)を廃する意味合いを含んでいないという違いがあります。当初は京都の人心や反対派を抑えるために形ばかり東西両京という体制をとったと考えられます。

 平安神宮の社殿は、桓武天皇による遷都当時の平安京の正庁・朝堂院が約8分の5の規模で再現されているそうです。壮大な平安神宮ですが、朝堂院はさらにその1.6倍の規模であったということです。1200年前に、その規模の建築が行われたと考えると想像を絶しますね。

 京都岡崎のランドマーク「大鳥居」をくぐり、岡崎公園を抜けて平安神宮をゆっくりと巡るころには、日頃の運動不足のせいかさすがに疲れも出て、休憩がてら水分補給するつもりで隣接する「京都ロームシアター」の「京都モダンテラス」に寄り道です。

 居心地がよく、つい長居をしてしまいましたが、日没前に鴨川デルタを渡ろうと今回の突撃・京都旅行の最後の行程に出発します。

 幕末の歴史の舞台ともなった二条城に続く二条通りを通って鴨川河畔に出て、東岸をのんびりと遡行します。二城大橋から丸田町橋・荒神橋・加茂大橋をくぐって鴨川デルタまでおよそ2kmの道のりのです。斜面に足を投げ出して夕涼みをする人、全身スキのないウェアに身を包みランニングをする人、レジ袋を提げて犬の散歩をする人、仕事帰りのスーツ姿。

誰もが、川端通りではなく河川敷の遊歩道を行き交います。日常生活の中に、そんな風に憩いの時間や空間があることが少しばかりうらやましいくらいです。

  

何とか日没前に鴨川デルタにたどり着き、思いのほか流れのはやい鴨川を飛び石伝いに渡って、ようやく突撃京都日帰り旅行の一日が暮れていきます。

 

※予想を遥かに超えて長くなってしまいましたが、この辺で「そうだ 京都、行こう!」は終了とさせていただきます。

文責:石井