「旧正月」という言葉を聞いたことのある方も多いと思います。

「立春」と時期が重なるうえに、どちらも「新しい一年の始まり」と捉えるなら、同一視することもできそうですが、正確には同じものではありません。

「旧正月」は冬至から数えて2度目の新月の日という定義で、「立春」は太陽の黄経が315度となる日という定義になります。

2022年は、「旧正月」が2月1日(新月)となり、「立春」の2月4日と3日ほどずれています。

さて、立春の前日(2022年は2月3日)といえば「節分」ですが、「節分」とは読んで字のごとく「季節を分ける日」という意味ですから、冬から春、春から夏、夏から秋、秋から冬と、本来であれば1年に4回あります。中でも一年の終わりとなる立春前日の「節分」が重要な意味を持つことは容易に想像がつきますね。この日を特別に「節分」と呼ぶようになったのは江戸時代後期のことだそうです。

1年の始まりが「立春」なら、「節分」は1年の終わり、つまり大晦日にあたります。今でこそ「恵方巻」を、その年の恵方に向かって正座し、無言で食すなどという新しい習慣が流行っていますが、大晦日ですので蕎麦を食すのが本来の在り方です。12月31日の「年越し蕎麦」と区別して現代では「節分蕎麦」という名称で饗されているようです。

節分の日に「鬼は外、福は内」という掛け声とともに豆を撒く習慣は、平安時代より宮中で行われていた大晦日の「追儺(ついな)」「鬼やらい」にその原型を見ることができます。

このように考えてみると、「節分」と「大晦日」はやはり重ね合わせて考えることが出来そうですね。

 

ちなみに今年の恵方は「北北西やや北」という微妙な方位となっています。