~バカロレアってよく分からない!~

文科省は、4月17日「2018(平成30)年までにIB認定校を200校まで増やす」、さらに6月22日には「国際バカロレア(IB)の履修科目を、高校卒業に必要な単位に算入できる上限を拡大する」と発表しました。
一般紙の社会面の小さな記事でしたが、2020年の大学入試改革とも関連し、これからの日本の教育に大変重要な内容を含んでいます。

大学入試改革については、前回までに述べてきましたからそちらをお読みください。
ところで、近時マスコミでIBという名前をしばしば目にするようになりましたが、「IBとは何か?」と聞かれて、はっきりと答えられる人は少ないのではないでしょうか。
そこで、これらの記事の意味に触れる前に、まずIBとはどのような教育なのかを簡潔に述べてみたいと思います。

IBとは、「国際バカロレア(International Baccalaureate)」のことで、国際バカロレア機構(本部スイス・ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラムのことを言います。
1960年代欧米では、自分の子弟を他国の高等教育機関に進学させたいという欲求が高まり、世界共通の資格制度の必要性が叫ばれました。これにより1968年設立されたのが国際バカロレア機構(IBO)でした。
初等(プライマリー、3歳~12歳)、中等(ミドル・イヤーズ、11歳~16歳)、ディプロマ(16歳~19歳)の3つのプログラムがあり、世界140以上の国・地域、4,211校(国内34校)(平成27年6月10日現在)で実施されています。
記事で注目されているのは、ディプロマ・プログラム(DP)で、所定のカリキュラムを履修し、最終試験を経て、所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格が取得できます。
原則として、英語、フランス語、スペイン語で履修します。
つづく

(2015.6.23)