~バカロレアってよく分からない!~

日本のディプロマ・プログラム(DP)認定校は、34校ありますが、その多くはインターナショナルスクールです。
この内、学校教育法第1条により「学校」として認められ、高校卒業資格が与えられる学校は、全国に12校、首都圏では、玉川学園中学部高校部、東京学芸大付属国際中等教育校、都立国際高校の3校となっています。
今後はこの1条校も増えていくと思われます。

DP認定校である都立国際高校は、今春(平成27年度)入試において、新たに「国際バカロレア」コース(定員25名)を設置しました。
注目された入試でしたが外国人枠5名は残念ながら4名の合格に留まり、定員を充足できませんでした。しかし、日本人枠、外国人枠ともに応募倍率は4.4倍の高倍率となり、激戦となりました。
4技能中心の入試でありながら、高倍率となったのは教育業界に大きな刺激を与えました。

現在DPの授業は、日本では英語を中心に行っていますが、文科省は今後一部の授業を日本語でも行えるようバカロレア機構に働きかける方針です。それが認められるまでには、まだ数年を要するでしょうが、それが認められればDPは一挙に広がっていくでしょう。
前述したように、文科省は30年までに1条校を200校にすることを目標に掲げていますが、現在のところ「困難」だというのが一般的な見方です。
ただ、日本語によるDP履修が一部に認められれば、一挙に広がっていくでしょう。

従来IB認定校が広がらなかったのは、日本の高校卒業資格に必要な履修科目とは別に、DP履修に必要な科目の取得を必要としたため、高校にとっても、生徒にとっても、それが負担となっているからでした。
しかし、DPの履修が日本の履修科目として認められれば、IBを導入する高校は拡大していくことは間違いありません。
日本の教育が大きな転換点にあるとき、IB教育の今後に大いに注目していきたいと思います。

つづく

(2015.7.1)