今回の部分月食は、食分が97.8%と皆既月食に限りなく近い、滅多に見ることのできないものであると同時に、「国際宇宙ステーション」との共演というさらに珍しい現象となっています。

南東に開けた場所であれば、その奇跡的な天体ショーを堪能できます。

 

「部分月食」

既にニュースや天気予報等でお聞きの方も多いと思いますが、11月19日(金)、皆既月食に限りなく近い「部分月食」が見られます。食分の最大が0.978(97.8%)ですので、ほぼ皆既月食と言っていいでしょう。ここまで食分の大きい部分月食は大変珍しく、前回は1881年(明治14年)12月6日でおよそ140年前、次回は2086年11月21日でおよそ65年後だそうです。

東京では、16:28に欠け始めた状態で昇り始め、18:03に最大食分となり、19:47に月食が終了して、何事もなかったように満月に戻ります。いずれも東の空での出来事です。

ちなみに全国的に皆既月食が見られるのは来年2022年の11月8日です。

月食写真(フリー素材)

「国際宇宙ステーション」

11月19日(金)は、また「国際宇宙ステーション」を見る絶好の機会でもあります。

17:08に南の空の低いところ(仰角11度)から見え始めて、17:11に南東の空で最大仰角(34度)となり、その後東の空へ移りつつ次第に高度を下げて、昇ってくる部分月食のちょうど真上で17:13に視界から消えます。

(フリー素材)

「タイムテーブル」

・16:28

東北東の地平から欠け始めた月の出(左側から欠けていく)

・17:08

仰角11度の南の空で国際宇宙ステーションが見え始める

・17:11

南東の空で最大仰角34度となる国際宇宙ステーション

・17:13

高度を下げつつ東北東の空(仰角14度)に移った国際宇宙ステーションが部分月食の最中の月の真上で視界から消える。

・18:03

東の空へと昇りつつ月が最大食分(0.978)となる(ほぼ皆既月食)。

・19:47

左側から徐々に光り始めた月が東の空で再び満月に戻る。

 

滅多にないチャンスですので、是非観測してみてください。

文責:石井