時に、ベストを尽くしても届かないものがあります。そして、ベストを尽くして届かなければ、人は逃げ道のない場所へと追い込まれてしまいます。だから、中途半端な人間はベストを尽くしません。自分を逃げ場のないところへと追い込んだりしないのです。ベストを尽くすことよりも、届かなかったときの言い訳や逃げ道を確保することにやっきになります。
ベストを尽くすには覚悟が必要です。成功も失敗も、現時点での自分の実力であると正しく認めること。そして、結果に対して恥じないこと。
口で言うほど簡単なことではないけれど、そうと覚悟が決まれば、追い込まれたはずの、逃げ道のない場所から、さらに先へと続く扉がはじめて開かれるのです。

考えれば考えるほど、この思いは強くなります。つまり、頭ではとっくの昔にわかっているはずのことなのです。それでも時々、そんなふうに覚悟を決めて生きることに気後れがして、次の一歩を、前に向けて踏み出せなくなる自分がいたりします。
やはり闘うべき相手は、自分自身の中にいるのですね。
誤魔化しのきかない自分自身に対して、しっかりと胸を張ることができるように、自分と闘うことから逃げずに生きていきたいと、そんなふうに心から願っているのです。

文責:石井