太陽を追いかけて東から西へ。それは若い向日葵の話。立派に成長した向日葵は重い首を垂れて、もう太陽を追うことを諦めてしまう。

まるで、憧れても太陽にはなれないことを知ってしまった大人たちのようだ。仰角70度超の、気の遠くなるような陽射しに射抜かれた日の午後は

積乱雲が天を突いて覇を競い合う。また、夏が訪れる。そういえば久しく夕立ちの匂いを嗅いでいない。

夕立ちのあとのむせ返るような土と草の匂い。

虹を追いかけたのも、確かそんな夕立ちの後だった。風が湿り気を帯びて夕立ちの近いことを知らせる。

緩やかにうねる乾いた畑の土を黒く塗り替え、用水路の水面を白く濁らせながら

ものすごい速さで夕立ちが通り過ぎていく。

雨に叩かれた家々の屋根がぼんやりと白くかすんで見える。昔は雨に濡れることなど何ともなかったはずなのに、今はそうでないことがもどかしい。

むしろ水たまりを選んで水しぶきをあげながら歩いたはずのぼくが

今はそれを丁寧に避けて歩いている。

文責:石井