獅子座流星群の活動が極大となる11月17日。
昼間の好天が嘘のように日が落ちてから空が曇り始めました。 33年に一度の大流星雨(何故か日本では獅子座フィーバーした1998年より2001年の流星が見事でした)は過ぎ去ったものの、例年「火球」と呼ばれる明るく光跡を残す見事な流星を散発で降らせる獅子座のこと。それらしく生徒に告知して多少とも期待させてしまっただけに、恨めしい気持ちでいっぱいでした。 けれども、いつものように夜更かしをしていたぼくが、就寝前にベランダに出てみると、いつの間にか空はすっかり晴れ渡って、今しも獅子座が南中しようとするところではありませんか。思ってもないチャンスに、流れ星のひとつでも確認できればとドテラを着込んで、一等星のレグルスを中心に南天の全景を視野に納めつつベランダでしばしの星見です。南西の空に移ったシリウスが眩いほどの瞬きを繰り返しています。 そうしてすっかり身体が冷え切ってしまうまで(といってもたいした時間ではなかったと思いますが)待ってはみたけれど、残念ながら今年はとうとう獅子座の流れ星には出会えませんでした。 2001年の11月17日の夜のことを思い出します。その時は、多摩湖の堤防にブルーシートを敷き詰めて、まるでラッシュ時の駅のホームのような人だかりの中、仲間たちと大鍋でポトフを作りながらの流星観察でした。獅子座の輻射点を狙ったように、いい塩梅に東に開けた空。ため息が漏れるほどの眩い流星が、次から次へと夜空を駆けたのでした。
 あるいは今年の夏の訪沖で、ペルセウス座の流星群の活動に合わせて渡った渡嘉敷島の、慶良間海峡を望む白い砂浜に一人寝そべって見たたくさんの流れ星のことを思い出します。

「今、慶良間海峡を望む渡嘉敷の浜辺で、繰り返す波の音をBGMに気の遠くなるような星空を眺めています。南の水平線から立ち上る天の川が白く輝く、流れ星の多い夜です。」
嬉しくて思わず東京の仲間にそんなMAILを送ったぼくでした。が、幾人かの仲間からは「ああ恨めしい」「東京は雷の音が絶え間なく鳴り響いています」「駄目押しの自慢話だね」などと叱られたことも懐かしく思い出されます。 さて、今回残念ながら流れ星を見ることがかなわなかったみなさんのために、最後に双子座流星群のご案内をして今日の「ひとりごと」を締め括ろうと思います。
三大流星群のひとつに数えられる「双子座流星群」の活動が極大になるのは12月14日です。
獅子座はご存知の通り春の星座ですから、夜半過ぎにならないとのぼってこないため、観測時間が深夜となり、小中学生の観測に適しているとはいえませんでした。が、双子座は冬の星座です。つまり、日没後に東天にのぼり、一晩かけて夜空を移り、明け方西天に没する、いつでも好きなときに観測できる流星群なのです。流れ星の出現数は、予想によれば一時間に30個程度ですが、多い年では100個を数える豊かな流星群です。是非忘れずに、もしくは思い出して、今年最後の流れ星を楽しんでください。ただしくれぐれも防寒対策を忘れないように……。

今年も11月17日がやってきます。
今年のしし座流星群の活動はどうか?
天候には恵まれるのか?
因みに33年に1度「流星雨」もしくは「流星嵐」となる「しし座流星群」の次の大活躍はいつかというと、2034年からの2~3年となります。
それまで生き延びていれば…ですが、どこで誰と肩を並べて星空を仰ぎ見るのでしょうか?

文責:石井