「そうだ 京都、行こう!」は一時お休みして、今日は「沖縄」の話題をお届けします。

 

沖縄は世界的にも非常に人気の高い観光地ですが、「うちなーぐち」いわゆる沖縄の言葉が大変難しいのは、もともと日本語の方言ではなく琉球語という別の言語だったからです。歴史的に見れば、その琉球王国が滅ぼされ、「薩摩の世」「大和の世」「アメリカの世」を経て、現在は再び日本に返還されて47都道府県の一県となっているのです。ただでさえ時代とともに言葉が変化するのは世の常。だとすれば沖縄の言葉の変遷がどれほど大きいものであったか想像がつきますね。

それでも、ぼくら「やまとんちゅう(沖縄以外の日本人)」の日常生活に、いくつかの「うちなーぐち」が溶け込んでいたりします。

「らふてぃ」「さーたーあんだぎー」「ごーやーちゃんぷるー」など食に関する言葉は特になじみがありますね。その他、聞いたことのある言葉に「めんそーれ」「海人(うみんちゅ)」「エイサー」「シーサー」「さんしん(三線)」などがあります。

気軽なあいさつに使われるのは「はいさーい」ですが、これは実は男性特有の言葉で、女性の場合は「はいたーい」と発声します。同じく、「またね」というような軽い別れの言葉に「またやーさーい」がありますが、これも男性言葉で、女性の場合は「またやーたーい」と変化します。

ただでさえ難しい「うちなーぐち」をさらに難しくしているのは、琉球語に奄美・沖縄・宮古・八重山・与那国 ・国頭の6つの方言があることです。

例えば、「ありがとう」を沖縄地方では「にふぇーでーびる」と表現しますが、宮古では「たんでぃがーたんでぃ」、八重山では「ふこーらさーん」と表現します。

 

さて、タイトルにある「まくとぅそーけー、なんくるないさぁ」ですが、何故か「なんくるないさぁ」だけが独り歩きして広まってしまったために、多少の誤解を生んでいる言葉でもあります。

「まあ、何とかなるさ」というような根拠のない軽い調子の言葉ではなく、本来の意味は「どんな苦境に立たされても、正しい行いをし、誠を貫いていけば、いつか必ず道は開けてくる」というような重いものだったのです。 比較的近い意味合いの言葉に「人事を尽くし天命を待つ」があります。

とはいえ、現在では沖縄でも本来の意味を解さず「なんくるないさぁ」を比較的軽い意味で使う人は増えているようです。

「まくとぅそーけー、なんくるないさぁ」

いい言葉ですね。本来の意味や背景を知ると、さらに言葉の重みが増すように感じられます。

 

追記:

アイキャッチ画像の「シーサー」ですが、本来は雌雄一対で、雄が口を開け、メスが口を閉じているということをご存じでしょうか。これは金剛力士像や狛犬にも表現されている、いわゆる「阿吽の呼吸」を意味していて、向かって右側の口を開けたシーサーが雄、左の口を閉じたものが雌となっているのです。口を開けている雄が家に福を招き入れ、口を閉じている雌が災難や魔を防いでくれると言われています。

文責:石井