「活版印刷三日月堂」(シリーズ4作)ほしおさなえ

 蔵造りの街並みで有名な小江戸「川越」を舞台に、祖父から引き継いだ小さな活版印刷所「三日月堂」を営む月野弓子さん。様々な悩みを抱えて三日月堂を訪れるお客と、そのお客の想いを優しく刷り上げる主人公のエピソードが、まるでリレーのバトンのように紡がれて温かな人間模様を描き出していくとても素敵な作品です。

 この作品と出会ったことがきっかけで印刷博物館の存在を知りました。
 今日は、ようやく訪問することができた印刷博物館の訪問記です。

 飯田橋から歩いて13分。凸版印刷ビルの一階・地下一階が印刷博物館になっています。

 2019年1月20日まで「活版印刷三日月堂」と印刷博物館のコラボイベントが開催されています。

 活版による体験印刷。

 今回の体験印刷に使用された「手キン」と呼ばれる手動の小型活版印刷機。

 ポスターなどの印刷も可能な大型のコロンビアン印刷機。一見飾りのようにも見える鷲の意匠も実は印刷に必要なおもりの役目をしています。

 こちらはお土産店で販売されていた活版印刷によるほしおさなえ作「活版印刷三日月堂―番外編」の小冊子(文庫サイズ)

 こちらもお土産店で販売されていた「星の栞」(3枚セット)。

 宮沢賢治さんの「銀河鉄道の夜」の一節が活版で印刷されています。
 パソコンのワープロ機能を使えば、様々なフォントの印刷が手軽にできる時代ですが、活版印刷の味わいは別格です。一言で語れる言葉がありませんが、その風合い、文字の手触り(言葉通り文字に手触りがあります)、etc.。
 「活版印刷三日月堂」是非読んでみてください。そしてお時間のあるときに印刷博物館にも是非足をお運びください。
(文責:石井)