一年で最も昼間の長い日「夏至」。

今年の「夏至」は6月21日でしたが、では実際どのくらい昼が長いのかというと、北緯35度の東京では昼が14時間34分、夜は9時間26分で、なんと5時間8分も昼が長いのです。

北緯43度の 札幌では昼の長さはさらに長く15時間23分。 北へ行くほど長くなって、北緯66.6度以北の 北極圏では昼の長さが24時間、つまり一日中太陽が沈まない「白夜」の季節となります。

星野道夫さんの著書によれば、アラスカ北極圏の人々は、短い夏のさなか、夏至の日を境に半年も先の冬至の日に向けて坂道を下るように日一日と短くなる昼を感じながら、厳しい冬を乗り越える覚悟と、そして準備を始めるのだそうです。逆に冬のさなか、半年も先の遠くから近付いてくる夏至に向けてゆっくりと長くなっていく昼の時間に希望を見出すのだそうです。

最後に「南中高度」についてまとめておくことにします。

理科の授業で習った人もいるかと思いますが、一日の中で太陽が最も高く昇ったときの日差しと地面の作る角度「南中高度」は、春分の日と秋分の日は<90度-観測点の緯度>、夏至の日は<90度-観測点の緯度+23.4度>、そして冬至の日は<90度-観測点の緯度-23.4度>という式で求めることができます。

北緯35度の東京で具体的に計算すると、春分・秋分が<90-35>で55度、夏至の日が<90-35+23.4>で78.4度、冬至の日が<90-35-23.4>で31.6度となり、夏至の日の南中高度は冬至の日の南中高度のおよそ2.5倍にもなります。