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24 10, 2024

【アーカイブ56】神無月(かんなづき)

By |2024-10-24T14:17:02+09:002024年10月24日|Uncategorized, 国分寺ブログ|0 Comments

10月。 ぼくにとっては、5月と並んで特筆すべき存在であるこの月は、日本人の持つ豊かな季節感の中でも一層、明るく切なく、そして哀しく美しい特別な月です。 穏やかに色付いていく蜜柑色の陽射しが照らし出す街に、明るい哀しみが幾重にも降り積もります。それぞれに宿した影が日毎に淡く滲(にじ)んでいくのと引き換えに、ひんやりと冷たい風の中、人も町もくっきりとその輪郭(りんかく)を取り戻していきます。 やがて金木犀の香りが届くと、心も身体も秋の深まりを感じ始めます。昔から、なぜかこの金木犀の香りが好きだったぼくです。 数年前の秋(11月の初めだったと思います)、突然のように京都・東山の紅葉が観たくなったぼくは、休みの前日、一日の仕事を終えたその足で最終の大垣行きに飛び乗って京都を訪れたことがありました。東京近郊の山がかった場所では紅葉もすっかり盛りを過ぎていたため、何の疑いもなく京都を目指したのです。ところが夜行列車はぼくがうとうととまどろむうちに紅葉前線を追い越してしまったらしく、目的の東山では気の早い楓の木が、まるで頬を染める少女のようにわずかに色付いているだけで、期待していた全山紅葉の景色には程遠い有様だったのです。 ところが、すっかり気落ちして山を下り、祗園(ぎおん)辺りの町並みに足を踏み入れた瞬間でした。金木犀の香り・香り・香り…。普段はしっとりと鼻先をかすめ、はっと気付いたぼくが改めて深呼吸をしてみても最早それともわからないほど微かな橙色の甘い花の香りが、そこ祗園界隈(かいわい)では庭先といわず街路といわず、そう、町を包んだ空気そのものを鮮やかに染め抜いていたのです。町にそれだけの金木犀が植えられているということ。そしてその金木犀が今まさに満開のときを迎えようとしていること。紅葉には一足早かったけれど、期せずして満開の金木犀に間に合ったぼくは、何だかとても得をした気持ちになったことを覚えています。 10月、神無月。 「鬼の居ぬ間に洗濯」という諺(ことわざ)がありましたが、さて、神様のいない間に、一体ぼくらは何をしておけばいいのでしょうね。 文責:石井  

2 09, 2024

【コラム㊶】四月は君の噓 - 原画と共に奏でるコンサート

By |2024-09-12T15:57:17+09:002024年09月02日|Uncategorized, 国分寺ブログ|0 Comments

「四月は君の噓」は、新川直司による日本の漫画作品。略称は「君嘘」(きみうそ)。単行本は全11巻。その後、テレビアニメとして全話放送され、実写版映画にもなっている。 中学生のピアニストとヴァイオリニストが互いの才能に共鳴し合い成長する姿を描いた作品で、名作との呼び声も高く、根強いファンも多い。  2024年9月1日(日)~9月2日(月)に東京・有楽町I’M A SHOWで、9月16日(月祝)に福岡・キャナルシティで、全5回「四月は君の噓 原画と共に奏でるコンサート」が開催されると聞いて、9月1日(日)の昼の部に参加してきた。      節目節目にコンクールやガラコンサートのシーンが入るテレビアニメの進行に合わせた選曲は以下のとおり。 ◆Violin × Piano ......

27 06, 2024

柿生スクール7月の予定

By |2024-06-27T18:13:57+09:002024年06月27日|Uncategorized, 柿生ニュース|0 Comments

7月1日(土)~10日(水) 面談期間 7月13日(土) 中1~中3学力判定テスト 7月20日(土) 小5小6アタックテスト 7月20日平常授業終了 7月23日(火) 夏期講習開始

7 06, 2024

【アーカイブ53】読むか読まぬか

By |2024-06-07T15:22:42+09:002024年06月07日|Uncategorized, 国分寺ブログ|0 Comments

 唐突ですが、人生において大切なことは、「理想」を胸に抱き、その「理想」を忘れずに保ち続け、その実現のために自らに努力と工夫を課すことだと思うのです。  ただし、この場合の「理想」というのは、何も大それたことでなくていいのです。むしろ基本的であればあるほどいい。たとえば社会的な立場や肩書き、置かれた環境などとは無関係に「人間としてどう在りたいか」というようなことです。もっとわかりやすく言えば「笑顔の自分」がいいのか「ふてくされている自分」がいいのか「泣き言を繰り返す自分」がいいのかというような、誰にでもわかることがベストです。「そんなこと今さら・・・」という声が聞こえなくもないけれど、改めて周囲を見渡してみれば、実際のところそんな幼稚な命題すら忘れてしまう人間があまりにも多くて愕然とするではありませんか。  「困難にぶつかったとき、うろたえたり、挫けたり、言い訳に他人の責任を並べ立てる自分」でいたいのか、それとも「結果はどうあれ胸を張って困難に挑む自分」で在りたいのか。「生きていく上でどうしようもなく傷つけてしまう人の心の痛みを知らん顔で踏みにじる自分」でいたいのか、もしくは「そんな人たちの心の痛みを我がことのように背負っていく自分」で在りたいのか。「仲間なんて利用するだけで信じない自分」でいたいのか、あるいは「たとえ裏切られる瞬間があったとしても仲間を信じることから始める自分」で在りたいのか……。  具体的であればあるほどいいのです。  人生に行き詰ったときは是非試してみて下さい。簡単な二者択一の問題提起をして、自分は本当はどうしたいのか、どう在りたいのかと静かに自分自身と対話するのです。  「泣く」のか「笑う」のか、「行く」のか「行かない」のか、「大切」なのか「大切ではない」のか、「取る」か「捨てる」か、「挑戦する」のか「逃げる」のか、「考える」のか「考えない」のか、「聞く」か「聞かない」か、「伝える」か「伝えない」か……。  バラバラになってしまった自分というピースをもう一度ひとつひとつ組み立てなおしていく作業は根気の要ることです。「どんな人間で在りたいのか」という、自分なりのそういったひとつひとつの理想をしっかりイメージすること。そしてイメージしたらそれを忘れずに保ち続けること。それは決して容易なことではないかもしれないけれど、人生の切り札となるような大切なことなのです。   文責:石井  

21 05, 2024

【アーカイブ52】浅間の横顔

By |2024-05-21T16:59:03+09:002024年05月21日|Uncategorized, 国分寺ブログ|0 Comments

 浅間の雄大な、それでいてどこか穏やかな横顔を見るために、毎年のように信州へ車を走らせます。軽井沢から中軽・追分を抜けて小諸へと向かう国道18号線を右に折れ、九十九折(つづらおり)の峠道を上り詰めると浅間2000スキー場を抱いた高峰高原に至ります。峠のレストハウスに車を止めて、トレッキングすること1時間30分で目的の場所へとたどり着きます。  浅間の正しい姿を見るなら黒斑山(くろふやま)です。Jバンドと呼ばれる浅間の外輪山のとっつきにあるトーミの頭(かしら)もしくは黒斑山の断崖絶壁に立つと、そこはまるで別世界です。深い、けれども光の飽和した谷には、まばらな針葉樹の間を埋め尽くした草原の広がり。それらを遥(はる)か足下に見下ろしつつ、遮(さえぎ)るものの何ひとつないガランと巨大な空間に泰然自若(たいぜんじじゃく)と胡坐(あぐら)をかく浅間の山容と、時の経つのも忘れて対峙します。  その浅間山が噴火したのは、ちょうど去年の秋口でした。随分と報道もされたのでご覧になった方も多いと思います。去年の噴火は、記録によれば21年振りとなる中規模噴火だったそうです。交通規制もなくなったゴールデンウィークにドライブした折に小浅間のレストハウスまで行ってみましたが、止まずに吹き上がる噴煙と、以前は高山植物で薄緑色だった斜面が流れ出した溶岩で赤黒く覆(おお)われていたこと、そしてレストハウスに近い有料道路際にまで転がっている火山弾が見慣れぬ風景となって噴火の激しさを物語っていました。  古くは1783年の大噴火で1200名を越す死者を出したことで有名な浅間山ですが、それ以外で言えば、立原道造の第一詩集『萱草(わすれぐさ)に寄す』に収録された「はじめてのものに」に見えるように1935年の噴火を知るのみです。  『はじめてのものに』                    立原道造  ささやかな地異は そのかたみに  灰を降らした この村に ひとしきり  灰はかなしい追憶のやうに 音立てて  樹木の梢に 家々の屋根に 降りしきった ......

27 02, 2024

柿生スクール3月の予定

By |2024-03-09T14:41:14+09:002024年02月27日|Uncategorized, 柿生ニュース|0 Comments

3月1日~3日 休校 3月4日(月)新学期授業開始 3月9日(土) 小5小6アタックテスト 3月16日(土) 中1~中3学力判定テスト 3月23日(土) 中学入試報告会 3月26日(火)~4月3日(水) 春期講習    

6 02, 2024

全員合格おめでとう。

By |2024-02-06T20:39:21+09:002024年02月06日|Uncategorized, 柿生ブログ|0 Comments

1月6日から始まった2024年の中学受験も2月5日で終了。 ラスト1週間は、直前特訓で最後の追い込み。 生徒はみんな、志望校合格に向けて必死で頑張りました。 多かったケアレスミスも少なくなり、問題文の読み落としも減りました。 苦手な解き方も何とか覚えきり、最後の最後でみんなしっかり力を伸ばしてくれました。 その頑張りのおかげで、全員が志望校の合格を勝ち取りました。 受験生のみんなおめでとうございます。そして、保護者の皆様お疲れさまでした。

6 02, 2024

柿生スクール 2月の予定

By |2024-02-06T20:16:20+09:002024年02月06日|Uncategorized, 柿生ニュース|0 Comments

2月5日中学受験部新学期開始 2月10日(土) 中1中2学年末テスト対策 2月11日(日) 中1中2学年末テスト対策 2月14日(水) 県立高校入試 2月17日(土) 新中1英数講座① 2月24日(土) 新中1英数講座② 2月28日(水) 県立高校入試合格発表 2月29日(木) 高校受験部2023年度授業終了 3月1日(金)~3日(日) 休校

21 12, 2023

【コラム㊴】冬至のカボチャ

By |2023-12-21T19:46:13+09:002023年12月21日|Uncategorized, 国分寺ブログ|0 Comments

 明日12月22日は、二十四節気の冬至の日にあたります。  北半球では昼が最も短く、夜が最も長いこの日、柚子湯に入って身体を温め、小豆粥や南瓜を食べると風邪を引かないと言われています。  地軸が公転面に対する垂直方向から約23.4度傾いているために、北緯66.6度以北では、この季節、一日中太陽の昇らない、いわゆる極夜という現象が起こります(その逆に、夏至の頃の一日中太陽が沈まない日のことを白夜と言いますが、こちらの方がどこかロマンティックな響きも手伝ってか知名度は高いようです)。その著書で星野道夫さんに紹介されたアラスカでは、オーロラを観るのに最適な季節の到来です。  もちろん寒さはこれからが本番ですが、夜が長くなるのもこの日まで、冬至を過ぎれば来年の夏至の日に向かって日一日と昼の時間が長くなっていきます。そう考えると、気持ちはどこか明るくなります。「冬来たりなば春遠からじ」です。  「南瓜」で思い出したことがあります。昨年の冬至の日のことです。  一日の授業を終えたぼくは、冬至の日であったことを思い出して、SEIYUの食品売り場によって「冬至弁当」と、ついでに「南瓜の煮物」を買って帰ったのです。ところがそれが大失敗。想像力が少しばかり足りませんでした。考えてみれば当然のことながら「冬至弁当」には、主役級の扱いで南瓜の煮物と駄目押しの南瓜の天ぷらが入っていて、買い足した南瓜の煮物と併せて、南瓜だらけの南瓜ぜめ。折角だからと無理をして全部たいらげましたが、しばらくはもう南瓜を見るのもゴメンというくらい南瓜で満たされた心となったのでした。  何だか南瓜に対する悪口のようにも聞こえるので、ひとつ南瓜に代わって弁明を試みることにしましょう。カンボジアに由来したこのカボチャという名の野菜は、今では輸入も手伝って一年中出回る食材ではありますが、本来は夏から秋にかけての野菜で、冬至を迎える頃にはそろそろ食べ納めの時期となります。各種ビタミンとカリウム・カルシウム・食物繊維に富んでいて「滋養強壮、抗がん、動脈硬化予防、風邪予防、冷え性予防、胃潰瘍予防」に効果ありの、実は冬至でなくても有り難くいただきたい重宝な食材なのです。 「柚子湯」「南瓜」と比較して知名度の低いのが「小豆粥(あずきがゆ)」です。 小豆の赤い色には「魔除け」の効果があり、「豆(ま・め)」が「魔を滅する」につながることから、太陽の力が最も弱くなる冬至の日に食されてきました。 南瓜と小豆を一緒に煮た「いとこ煮」というかわいらしい名前の料理もあるそうです。 ......

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