※修学旅行で京都に行く際の参考にもなるかと思い、日帰りの突撃京都探索の記録を続けていこうと思います。

 

京阪宇治駅から宇治線で中書島(ちゅうしょじま)まで出て本線に乗り換え、祇園四条を目指します。

本線は、豊臣秀吉の伏見城があった伏見桃山、千本鳥居で知られる伏見稲荷、京都五山の第四位・東福寺と人気の観光スポットをつないでいきます。

ちなみに、織田・豊臣の世を安土桃山時代と呼びならわしますが、「桃山」というのは後の呼び方で、秀吉の居城があったのはあくまでも「伏見」です。ですから本来であれば「安土伏見時代」と呼ぶべきなのです。伏見城は、江戸時代に入っても重要な城として利用されていましたが、徳川幕府が出した「一国一城令」により、京都に二条城と伏見城の二城を維持できなくなったため、最後は跡形もなく解体されてしまいます。城だけでなく石垣や礎石も残らないほどの徹底した破壊ぶりで、城の建材の一部は京都二条城、江戸城、大阪城、そして大徳寺等の寺社でリユースされたものの、伏見城のあった場所はむき出しの土山になってしまったようです。その跡地に、地元の人々が桃の木を植え始め、やがて辺りは桃の木で覆われていきます。「桃山」という名称は明治時代に入ってからのものなのです。

話が逸れましたが、祇園四条駅で下車して、向かうは東山。まずは八坂神社へアクセスします。

京都の繁華街といえば四条河原町ですが、日帰り旅行の今回は時間の都合でパスします。

道々、修学旅行の中高生たちのグループを見かけます。昨年・一昨年は、新型コロナの影響で修学旅行も中止せざるを得ない学校が多かったことを考えると、これは喜ばしいことですね。

西楼門から神域に入り、八坂神社に参詣したその足で向かうのは東山最大の観光名所といっても過言ではない「清水寺」ですが、その前に腹ごしらえということで、石鳥居をくぐって下河原町通にある「京うどん美竹(よしたけ)」に寄ることにします。靴を脱ぎ、薄暗い廊下を通って案内されたお座敷には、恐らく外国人観光客や和装のお客様向けにテーブル席が並べられています。

運よく空いていたため、小さな日本庭園を眺めることのできる窓際の席に案内されました。

5月とは思えない暑さで、少し汗もかき体温が上がっていたぼくは、涼味を求めて「冷やしすだちうどん」と、そして口直しになりそうな「てづくりおいなりさん」を注文しました。

「すだちうどん」は器の全面をおおうほどすだちの輪切りを並べた見た目にも爽やかな盛り付けで、京都らしく澄んだだし汁が大変おいしい、予想通り涼味満点のうどんでした。「すだちうどん」の、細胞のひとつひとつが目覚めるような酸味を味わいつつ、口直しに「てづくりおいなりさん」を頬張ると、その上品な甘さが一層引き立つようで、思わず舌鼓を打ちたくなるような組み合わせの妙でした。

そんな、静かなたたずまいのお庭を眺めながらの昼食は、およそ非日常であって、限りなく心が癒されていきます。

さて、昼食をとって人心地ついたぼくは、まずは「清水寺」を目指して、「八坂の塔」を道しるべに午後の京都散歩をスタートしたのでした。

文責:石井