明日12月22日は、二十四節気の冬至の日にあたります。

 北半球では昼が最も短く、夜が最も長いこの日、柚子湯に入って身体を温め、小豆粥や南瓜を食べると風邪を引かないと言われています。

 地軸が公転面に対する垂直方向から約23.4度傾いているために、北緯66.6度以北では、この季節、一日中太陽の昇らない、いわゆる極夜という現象が起こります(その逆に、夏至の頃の一日中太陽が沈まない日のことを白夜と言いますが、こちらの方がどこかロマンティックな響きも手伝ってか知名度は高いようです)。その著書で星野道夫さんに紹介されたアラスカでは、オーロラを観るのに最適な季節の到来です。

 もちろん寒さはこれからが本番ですが、夜が長くなるのもこの日まで、冬至を過ぎれば来年の夏至の日に向かって日一日と昼の時間が長くなっていきます。そう考えると、気持ちはどこか明るくなります。「冬来たりなば春遠からじ」です。

 「南瓜」で思い出したことがあります。昨年の冬至の日のことです。

 一日の授業を終えたぼくは、冬至の日であったことを思い出して、SEIYUの食品売り場によって「冬至弁当」と、ついでに「南瓜の煮物」を買って帰ったのです。ところがそれが大失敗。想像力が少しばかり足りませんでした。考えてみれば当然のことながら「冬至弁当」には、主役級の扱いで南瓜の煮物と駄目押しの南瓜の天ぷらが入っていて、買い足した南瓜の煮物と併せて、南瓜だらけの南瓜ぜめ。折角だからと無理をして全部たいらげましたが、しばらくはもう南瓜を見るのもゴメンというくらい南瓜で満たされた心となったのでした。

 何だか南瓜に対する悪口のようにも聞こえるので、ひとつ南瓜に代わって弁明を試みることにしましょう。カンボジアに由来したこのカボチャという名の野菜は、今では輸入も手伝って一年中出回る食材ではありますが、本来は夏から秋にかけての野菜で、冬至を迎える頃にはそろそろ食べ納めの時期となります。各種ビタミンとカリウム・カルシウム・食物繊維に富んでいて「滋養強壮、抗がん、動脈硬化予防、風邪予防、冷え性予防、胃潰瘍予防」に効果ありの、実は冬至でなくても有り難くいただきたい重宝な食材なのです。

「柚子湯」「南瓜」と比較して知名度の低いのが「小豆粥(あずきがゆ)」です。

小豆の赤い色には「魔除け」の効果があり、「豆(ま・め)」が「魔を滅する」につながることから、太陽の力が最も弱くなる冬至の日に食されてきました。

南瓜と小豆を一緒に煮た「いとこ煮」というかわいらしい名前の料理もあるそうです。

インフルエンザの流行が早くも警報レベルを超えています。

皆さま、どうか健康で。

受験生の諸君、残り2か月を切ったこの大事な時期に風邪などひかぬよう、体調管理をしっかりしていきましょう。

文責:石井