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12 03, 2021

第65回~第67回「歴史に学べ」

By |2021-03-31T11:49:27+09:002021年03月12日|Uncategorized, 代表コラム|0 Comments

~「に」と「を」の違い~  今回の東日本大震災で東北の市町村は、街そのものが消えてなくなるほどの甚大な被害をうけました。そんな中、唯一と言ってもよいほど死者や倒壊がなかった村が存在するのです。岩手県普代(ふだい)村です。人々はこれを「普代村の奇跡」と呼んでいます。 今回はこれについて書いてみましょう。 岩手県宮古市から車で少し行くと、ワカメとコンブの養殖が産業の中心の人口3千人ほどの小さな村があります。今回の震災で、漁港にあった船600隻のうち550隻が流されたり壊されてしまいました。ところが、この村は震災後に船を見に行った人が一人行方不明なだけで、なんと亡くなった人がいないのです。 その理由は一体何か?それは高さ15.5メートルの水門と防潮堤でした。 この防潮堤と水門は、過去の悲劇を繰り返してはいけないと、和村幸得元村長が周囲の反対を押し切り完成させたものでした。 この村は、明治29年と昭和8年の大津波、昭和35年のチリ地震、36年の三陸フェーン大火、41年の集中豪雨と約100年の間に5度の大きな災害を経験しています。日本列島自体が災害の多いエリアですが、それでもこれほどの被害を短期間に受けている地域もありません。 わずか3千人ほどの村で、明治の大津波では1010人、昭和の大津波でも137人の犠牲者をだしています。「なんとかして村人を災害から守りたい」それが歴代の村長の願いでした。この歴代村長の願いを実現したのが和村元村長でした。 この防潮堤と水門が、村民の命と財産を守ったのですが、実は津波は15メートル以上ある水門を5,6メートルも超えてしまったのです。しかし、津波はこの水門に当たると勢いは減殺され、普代川をさかのぼるとやがて止まってしまい、普代村は被災を免れたのです。 防潮堤は昭和43年、水門は59年に完成しますが、総工費35億円超の、当時としては膨大な工事費が必要なことから、「これほど大きな水門が本当に必要なのか」「もっと小さなものでも十分なのではないか」等の反対意見も根強くありました。 ......

12 03, 2021

第61回~第64回「なぜ学ぶのか」

By |2021-03-31T11:49:27+09:002021年03月12日|Uncategorized, 代表コラム|0 Comments

~塀の中の中学校~ 先週ある雑誌を見ていて、大変感激した投稿に出会いましたので、是非ご紹介いたします。 それは松本市立旭中学校桐分校元教官角谷敏夫先生の「ひとつ学べばひとつ世界が広がる」という文章です。 桐分校は、日本でたった一つしかない刑務所の中の中学校です。昭和30年設立といいますから、今年で56年になります。角谷先生は、この分校で33年間担任を務められました。角谷先生がなぜ普通の中学ではなく、桐分校を選ばれたのか。 まず、わたしはそこに興味がわきました。以下、抜粋です。  「中学の頃から教師を目指して高校、大学へと進学。ところが、いざ一生の進路を決めるという段になって、私は考え込んでしまいました。他の友人たちと同じように、このまま小中学校の先生になっていいんだろうか。自分がやってきた学問は何のためだったのだろうかと自問し始めたのです。 父は長い闘病生活を経て、私が小学校六年生の時に亡くなりました。以後、貧しい生活環境の中、母が懸命に働き、五人の兄弟を守り育ててくれました。 (中略) そのように、私が学問を続けられたのは母や兄たちの応援、近所の方々の応援、そして社会からの応援があったのです。そうまでして自分が学んできたのは何のためだったのか。普通の中学校や小学校の先生になることなのだろうか。いま一番勉強を求めている人たちは誰なのか・・・自問を繰り返した結果、今学びたいと思っているのは、いま教育を最も必要としているのは、犯罪に手を染めてしまった青少年ではないか、という結論に行き着きました。」 角谷先生は、決断すると、法務省人事課に電話を入れ、試験にもパスして赴任がきまりました。赴任前の挨拶に行くため、スキー客で込み合う鈍行列車に乗り、雪が舞う諏訪湖を見ながら彼は決意します。 ......

12 03, 2021

第60回「建設と破壊」

By |2021-03-31T11:49:27+09:002021年03月12日|Uncategorized, 代表コラム|0 Comments

東日本大震災から1ケ月以上が経過しました。 福島原発も原子炉が落ち着くまで、まだ半年以上かかるとの報告もでており、避難している方々も長期の避難生活を覚悟しなければならない状況です。 被害の全貌はまだ明らかとは言えず、行方不明者もまだ一万人以上もおられます。 新聞の紙面やテレビのニュースにこの震災が割かれる割合は、これからどんどん減っていくでしょう。もちろん一日も早く日本経済が立ち直るためには、被災を免れた地域が復興を助けていくしかありません。しかし、私たち日本人は片時も被災者の方々の苦労を忘れて日常を送ってはならないと思います。 ファインズ・グループでもこれまで2回日本赤十字社に対し、ささやかではありますが義援金を送ってきました。 また、4月17日の読売新聞の「役立ちたい」欄に、学習机・椅子各50の無償提供を申し出ています。被災地の学校で使っていただければと思います。 復興まで「長い戦い」になることは間違いありません。ファインズ・グループとして今後も物的な支援をしていくことは勿論ですが、教育に携わる者として子供たちと一緒に「豊かさを残された者の責任」ついて考えていきたいと思います。 その一つとして、4月24日国分寺国際協会の増田加代子さんをお迎えして、「ヒューマン講演会」を国分寺(10時)と青葉台(14時)で開催します。 増田さんはネパールに対し、文具等の支援、学校建設、井戸掘り等々の幅広い支援を長く実施され、その貢献に対し大統領からも感謝状が与えられている方です。 アジア最貧国のひとつであるネパールの状況を知ることにより、自分たちの恵まれた環境に感謝の気持ちを持ってもらいたいとの想いから開催しています。そして、その気持ちが東北の被災者の方への想いにもつながることを祈っています。 ......

12 03, 2021

第59回「東日本大震災に想う」

By |2021-03-31T11:49:28+09:002021年03月12日|Uncategorized, 代表コラム|0 Comments

~日本人としてできることはなにか~ 皆さんの親族やお友達の中にもこの震災で被害にあわれた方がいると思います。 心からお見舞い申し上げますと共に、行方不明になっていらっしゃる方は、無事でおられることを祈っています。また、不幸にして亡くなられた方には、心よりご冥福をお祈りいたします。 今回の大震災は、日本民族が経験したことのない、世界史においても人類が経験したことがないほどの「大災害」となっていることは、皆さんも知っているとおりです。 ついこの前まで、のどかな田園・漁村風景が広がっていた美しい東北の町々が、あっという間に瓦礫(がれき)の山と化してしまいました。 亡くなられた方・行方不明の方は、万を超えます。 福島原発の事故も憂慮(ゆうりょ)すべき事態になっています。 このような「国難」ともいうべき大災害にもかかわらず、被災地では「略奪」もなく、理性的に行動する日本人を見て、海外の特派員からは驚嘆の声が上がっています。 人間の本質が最もよく表れるのが、困難にぶつかったときです。私たちは、被災地の「同胞(どうほう)」の皆さんを、同じ日本人として誇りにしていいと思います。 その誇るべき「同胞」を何としても国力を挙げて救わねばなりません。今私たちができることをやろうではありませんか。 幸い私たち関東圏に住む者は、被災を免れました。しかし、いつ何時われわれも同じ境遇になるかもしれないのです。 ......

12 03, 2021

第58回「力強く立ち上がろう!」

By |2021-03-31T11:49:28+09:002021年03月12日|Uncategorized, 代表コラム|0 Comments

~辛苦を分かち合い乗り越える~ 今回の東日本大震災において、被害にあわれた方に心からお見舞い申しあげます。 また、親族や友人を亡くされた方には心中よりお悔やみ申し上げます。 時間がたつにつれ、「国難」と言っても差し支えないような被害の全貌が明らかになりつつあります。町全体が消失してしまったかのような被災現場である「原野」を見て、ただただ呆然とするしかありません。 「同じ日本人として自分に何ができるか。」これほど自分自身が「日本人」であることを明確に意識したことはありませんでした。昨日は家内とも「自分たちにできることをやろうね」と話しあいました。このような夫婦の会話は初めてのことです。 これだけの被災状況の中で、「略奪」もなく、整然と補給物資を待つ「同胞」を見ていると、なんとかしなければという強い想いと、「民族の理性あふれる行動」に誇りさえ感じている自分を発見していました。 世界が日本を注視しています。 「戦後復興」を見事に果たし、世界舞台に復活して世界の尊敬を集めたように、この第2の「国難」も乗り越えていこう。国民一人ひとりが「他者の辛苦」を同苦し、分かち合い克服していこう。そう強く意識した一日でした。 倒れても、大地にしっかり手をつき立ち上がろう。 ファインズグループとしても、少しでもお役にたてるように「義援活動」を始めていきます。 ......

12 03, 2021

第55回~第57回「チャレンジ精神を持て!」

By |2021-03-31T11:49:29+09:002021年03月12日|Uncategorized, 代表コラム|0 Comments

~海外留学生の減少を危惧する~ 首都圏の中学入試も明日からいよいよ本格的に始まります。 こうして原稿を書いているときも、一人でも多くの子供たちが志望校に合格してほしいと念じられずにはいられません。 さて、サッカーのアジアカップで日本が2大会ぶり4度目の優勝を果たしました! 深夜の放送でしたが、苦戦・悪戦苦闘の連続で、ついつい大きな声を出してしまい、思わず口をふさいでしまいました。ザック監督の采配も見事でしたが、リザーブの選手たちも自分の出番が来るまでモチベーションを切らさず、実力を出すことができたのには感心しました。一昔前のジャパンであれば、「得点力不足」「競り合いの弱さ」で、勝ち抜くことはできなかったでしょう。 なぜ「サムライ・ブルー」はかくも逞しくなれたのか。私は優勝カップを掲げる遠藤選手を見ながら考えました。 細かい分析は、専門家に任せるとして、ひとつ気がついたことがあります。 初めて日本がワールドカップに出た1998年フランス大会、選抜メンバーの中に海外で活躍する選手は一人もいませんでした。後にイタリアで活躍することになる中田英寿選手もこの時はベルマーレ平塚の所属だったのです。 ところが、今度のアジアカップの先発メンバーを見ると、なんと海外所属の選手は8人にもなります。 ベスト4に進出した、韓国、ウズベキスタン、オーストラリアもヨーロッパ等の海外で活躍する選手が多くいることでは共通しています。 ......

12 03, 2021

第53回~第54回「親の言葉」

By |2021-03-31T11:49:29+09:002021年03月12日|Uncategorized, 代表コラム|0 Comments

~「はぐくむ言葉」と「つみとる言葉」~ 世間では正月気分が抜ききれないのですが、早くも中学入試が昨日から始まりました。 いよいよ受験生にとっては、これまでの精進の成果を試される厳しい日々が続きます。 一人でも多くの教え子たちが、志望校に合格してほしいと願っています。 さて、先日ある塾の女性経営者の方から、大変興味深いお話を伺いましたので、ご紹介いたします。その方はご自身の息子さんを自ら教え、昨年中高一貫校の受検をさせたそうです。受験倍率10倍を超え、大手の進学塾でも一教室で合格者は一人出るか出ないかにもかかわらず、自分の塾では合格率五割をだしました。 しかし、ご自身の子供は不合格。落ち込むとともに、塾の経営者、教師として、一人の母親として、その原因を調べずにはいられなかったそうです。 受験をされた家庭にいろいろ聞くなかでわかったことがありました。 合格することしないこの決定的な差。それは何か。それは「母親の言葉がけ」だったのです。合格された子の母親は、一様に「先生のご指導がよかったからです。ありがとうございました」と感謝の言葉を言われ、「結果がどうであろうと、最後まで子供を応援しようと思っていました」と言われました。 そして、子供には「応援しているからね」、「お父さんも母さんもあなたの味方だからね」と愛情あふれ、やる気を「はぐくむ言葉」をかけていることがわかったのです。 ところが、不合格だった母親に中には、塾の指導を批判する人も多くいました。 ......

12 03, 2021

第50回~第52回「夢の持続」

By |2021-03-31T11:49:29+09:002021年03月12日|Uncategorized, 代表コラム|0 Comments

~「はやぶさ」の奇跡~ (第50回)(2010.12.27) 激動の2010年ももうすぐ暮れようとしていますが、皆さんはどのような1年でしたか? 重大ニュースのトップは、何といっても「尖閣諸島問題」ですが、このほかの話題も暗いニュースばかりでした。しかし、其のなかでひときわ明るい話題がありました。 小惑星探査機「はやぶさ」の帰還です。今回はひょっとしたら入試にも出るかもしれないこの「奇跡」を取り上げてみましょう。 今年6月22日、7年60億キロの宇宙の旅を終えてオーストラリアのウーメラ砂漠に帰還した「はやぶさ」は、日本の多くの子供たちに(いや、デフレ不況で暗い大人にも)感動を与えました。 「はやぶさ」が鹿児島県内之浦宇宙観測所から小惑星「イトカワ」を目指して打ち上げられたのは、2003年5月9日のことです。 この小惑星「イトカワ」は、地球から約3億キロも彼方にあり、わずか直径540mにすぎない「けし粒」のような惑星です。その小さな「イトカワ」の地表のサンプルを採取し、地球に持ち帰るのが「はやぶさ」のミッションでした。 この計画が提案・検討されたのは、なんと30年ほど前のことです。当時はアメリカやソ連が月に行ったり、火星や金星に向けて大プロジェクトをすでに行っている時代でした。 日本はと言えば、やっと1985年に彗星探査機「さきがけ」を打ち上げたにすぎません。 ......

12 03, 2021

第49回「倒れてのち已(や)む」

By |2021-03-31T11:49:30+09:002021年03月12日|Uncategorized, 代表コラム|0 Comments

さて、いよいよ入試まで40日を切ってきました。 まとめて勉強できる最後のチャンス「冬講」まであと1週間です。 中国の昔の諺に「己を捨ててはその疑いに處(お)ることなかれ」(菜根譚)という言葉があります。 「いったんやろうと決めて勉強に取り組んだのなら、自分を捨てて取り組まねばならない。果たして自分にできるだろうか、先生や親は協力してくれるだろうか、などと疑ってはならない」ということでしょうか。耳が痛いなと感じる皆さんも多いかもしれませんね。 ところが、これには続きがあります。 「その疑いに處(お)れば、すなわち捨つるところの志、多く愧(は)ず」 「また、自分の力を疑っていたら、せっかく身を捨てた初志をも、自ら辱めることになる」という意味です。 どのような仕事でも、どんな世界でも、勇気や気力をなくしたら負けです。 迷っているばかりでは勝機は逃げていきます。 目標を決め、やると決意したら全力でやりきる。やり続ける。 ......

12 03, 2021

第47回~第48回「主語+述語、そして数字で語ろう」

By |2021-03-31T11:49:30+09:002021年03月12日|Uncategorized, 代表コラム|0 Comments

今回は「主語+述語+数字で語れる人になろう」ということを書いてみようと思います。 企業・団体が「人、物、金」という単純な存在の大きさ・数で勝敗が決していた時代から、「人財、情報、組織」という付加価値で企業の優勝劣敗が決するようになってきたことは、皆さんもご存じのとおりです。堺屋太一氏は、「知価革命」という書物の中で、「付加価値」を「知価」という言葉を使って、少種大量生産の工場制工業化社会から多品種少量生産、多様化・情報社会への移行を予測しています。25年も前に出された本ですが、現実にそのようになってきていますから、氏の予見は当たっているといえます。 ところで、「付加価値」が勝敗を決めるといわれても「では、どうしたら付加価値を付けることができるのか」というと答えはそう簡単ではありませんね。 「人」という生物体が、「人財」という社会・企業に貢献できる価値を具現化した存在になるためには、「問題分析能力」と「問題解決能力」を身に付ける必要があります。 では、どうしたらこれを身に付けることができるのでしょうか。 その前に、ある会社の会議の様子を再現してみましょう。 部 長:「今度新規オープンした○○店の客の集まりはどう?」 A課長:「けっこういるみたいです」 部 長:「具体的にどのくらいいるの?」 A課長:「よくはわかりません」 ......

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