第27回~第30回「願いの中に 自分が生かされている」
私はある月刊誌を年間購読しています。その中にポケットブックが入っているのを見つけ手にとって見ました。 そこに東井義雄さんという生涯を教育にささげた人の話が載っていました。 その中の心温まる話です。原文のまま掲載します。 『私は主人が早くに亡くなりました。 女の子一人の母子家庭だったんですけど、主人が亡くなってから、くず屋の仕事を続けて、女の子を養いました。』 幸い、小学校のころは、いい子だ、やさしい子だと、皆さんから誉めていただいていたんですが、中学校になってから、ぐれ始め、とうとう中学二年の時には警察のお世話になるようなことになってしまいました。 あのいい子だいい子だといわれた子が、なぜこんなことになったんだろうか、どう考えても分かりません。 それが偶然わかったことですが、『いくら勉強できるからといって、くず屋の娘やないか』といわれたことが大きなショックになって、『お母さんがあんな仕事やっているから、いくら勉強やったって、みんなからバカにされる』と考え、それからぐれはじめたということがわかりました。 しかし、このくず屋の仕事をやめてしまっては、もう今日からの暮らしに困ってしまいます。 かといって、ただ一人の女の子が、こんなことでは、亡くなった主人に申し訳ございません。 ......