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第75回「論語素読講座②」
~学ばざれば道を知らず~ 授業の様子に触れる前に、私の少年時代のことを書いてみます。 私は「団塊の世代」のすぐあとの世代です。私の少年期は、まだ「ふかし芋」がおやつに出るのを楽しみにしていたくらいで、「三丁目の夕日」がぴったりの時代でした。 果物に関する思い出を二つ。当時、バナナやメロンは庶民にはまだ高級果物でした。そして、私にとっては思い出のある果物です。 小学5年生の夏。引っ越してきたちょっとリッチな友達の家に悪友4人と遊びに行ったときのことです。その時の感激・無念さ・恥ずかしさはいまでもはっきり覚えています。 さすがお金持ち。おやつの時間。バナナがなっ、なんと「ひと房」まるごと出てきたではありませんか!実はそれまで半分に切ったバナナしか食べたことがなかったのです。滅多に口にできないバナナ。家では弟と分けるためいつも二分の一。(どういうわけか父母の分を含めた四分の一ではありません。) だから、私は「一本まるごとバナナのむき方」を知りませんでした。そこで、私は友達がむくのを見てから食べようと手を付けませんでした。ところが、他の友人たちも誰も手に取りません。みんな隣をキョロキョロ見ているばかり・・せんべいとかお饅頭にばかり手をつけていました。 すると、友人のお母さんがやってきて、「あらあら、みなさんはバナナがお嫌いなのね!」と言って下げてしまったではありませんか! 私は・・・唖然!ガックリ! このことがあってかどうか不明ですが、バナナは一番最初に手にとる癖がついてしまいました。現在は100円で数本買えます。でも、バナナを朝食でとるたびに、この時のことを時々ふと思い出し、ニヤッとしてしまいます。 ......
第74回「論語素読講座①」
~学ばざれば道を知らず~ 新指導要領について、あれこれ考えているうちに、どういうわけか筆不精になり、しばらくコラムをご無沙汰してしまいました。 教育の末席に置かせていただいている身として、どうしたら人材育成という私塾の使命を果たすことができるのか。大津のいじめ事件などを見ながら、今できることを模索していました。しかし、「想い」だけでは、何も変えられないし、変わらない。 そこで2年前に始めようと考えながら、頓挫した「論語講座」を今一度始めてみようと思いたち、早速鷺沼スクールで6月から始めました。 今の子供たちが「学び」に意味を見いだせないのは、「何のために学ぶのか」という根本的な問に答えられる大人がいないことも理由の一つであるような気がしてなりません。 「あこがれの学校の制服に袖を通してみたい」という子供の身近な目標は、もちろん学習の動機付けとして否定しませんし、今も昔も大事なことです。 しかし、そうした身近な目標さえ、「所得の2極化」の拡大により、誰もが持てる目標ではなくなりつつあります。 団塊の世代、高度成長期に誰もが夢見た「一元的出世感」は、その善悪はともかく、今では「夢のまた夢」といえるのではないでしょうか。 では、われわれ教育に携わる者として、指をくわえて現状を見ているだけでいいのか。 どんなに少なくとも、今目の前の一人の生徒から始めてみよう。さぁ、行動開始! ......
第73回「指導要領改訂に想う④」
~小学校はどう変わる?~ 過去の指導要領の経緯はともかく、昨年4月からすでに導入済みの小学校の学習内容がどうなっているかをこれから見てみましょう。 ところで、ファインズグループでは、新指導要領導入により、学習内容がどのように変わっているかをグラフ等を使い分かりやすく説明した小冊子「ご存知ですか? 教科書維新」を作成しています。ご希望の方は是非お近くのファインズ・フィスゼミ各スクールにお問い合わせください。 さて、このコラムではすべての学年を取り上げることはできません。 そこで、全学年の中で最も変化の激しい4年生を特に取り上げてみることにします。 今回の改定で量的にも質的にも最も大きく変わっているのは4年生と言えます。 旧教科書とのページ数アップを比較すると、算数141%(6学年中で最多)、国語128%、 理科124%、社会113%となっています。中でも算数の4割アップは目につきます。 以前から算数は4年生が「要注意」と言われていました。それは小数・分数が登場し、ここで分からなくなる生徒が多いためです。 今回の改定では、「分母が同じ分数」や「10分の一までの小数の足し算・引き算」は、3年生に降りてきていますから、3年生も算数嫌いのポイントになるかもしれません。 ......
第72回「指導要領改訂に想う③」
~「勉強」は悪か?~ 今回の指導要領改訂の要因として、このPISAの成績ダウンが一因となったことは否めないと思われます。しかし、それだけではありません。 10年前の「ゆとり教育」導入以前、日本の学校教育は問題が山積していました。 「落ちこぼれ児童」「授業中の立ち歩き」「学校の荒廃」。「分数のできない大学生」なる本もベストセラーになっていました。 大学の入試制度も、少子化を見通し受験生を確保したい思惑から、年を追うごとに科目減の傾向が顕著になっていました。中には「一芸入試」をアッピールする大学も現れ、「けん玉」を面接で行い入学を認める大学まででる有様でした。「最高学府」とは、もはや名ばかりでした。 「中教審」の主要メンバーのある有名な女性作家は、「数学なんて大人になっても役にはたたない。私は数学はまじめにやらなかったが今ちゃんと作家で身を立てています」(趣旨)と発言し、心ある教育関係者からはひんしゅくを買っていました。 当時の世論は、「詰め込み教育=悪」という流れで、一斉に「ゆとり教育」に流れていきました。 しかし、その結果はどうだったでしょうか? 「落ちこぼれ」はなくなったでしょうか?「荒れる学校」は減少したでしょうか? 「否」です。 ......
第71回「指導要領改訂に想う②」
~PISAテストとは?~ ここでPISAテストとは一体どのようなテストか、ご存じない方もおられると思いますので、簡単に説明したいと思います。 PISAテストとは,OECD(経済協力開発機構)が実施する学力到達度調査のことで、Programme for International Student Assessementの頭文字をとってそのように呼ばれています。 OECDでは、国際比較により教育方法を改善し標準化する観点から、生徒の成績を研究し、自国の教育政策の改善や見直しに役立てるための客観的なデータを提供することを主眼として、1987年からプログラムの開発が始まりました。第1回調査は2000年、以後3年ごとに実施されています。 毎回メインテーマがあり、調査の項目としては、「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」となっています。調査対象は、15歳3ケ月から16歳2ケ月の生徒、日本で言えば中3から高1の生徒が対象になります。 参加国は、2000年32ケ国、2003年41の国と地域、2006年56の国と地域、2009年65の国と地域と毎回参加国及び参加人数も増えています。 ......
第70回「指導要領改訂に想う①」
~教科書維新 来る!~ 我が国の教育の指針となる「指導要領」が10年ぶりに改訂されました。 小学校では今春から導入済み。中学校では来春から実施されます。 今回の改定はこれまでの改定とは異なり、これからの日本の教育界に、日本の行く末にもかかわる大改定になっています。 マスコミにも最近やっと取り上げられるようになりましたが、中身については詳しく触れられていません。そこで、「何が問題になるのか」を知っていただくため、この話題をこれから数回に分けて取り上げることにします。 日本は戦後ほぼ10年に一度「指導要領」を改訂してきました。前回の改定は2002年。「ゆとり教育」と言われるものです。 この「ゆとり教育」は、「荒れる学校」をなくし、「落ちこぼれ児童」を出さないことが目標だと言われていました。 しかし、この目標は達成されたでしょうか。その「答え」が今回の改定なのです。 「ゆとり教育」導入により、日本の教育水準が低下したことは、「PISAテスト」のランクが低下したことに象徴的に表れています。(参考:PISAにおける日本の順位の推移) また、大学入試科目の削減、OA入試・一芸入試等生徒の学力を問わない入試制度の広がりとも合わせて、小中高生の学力低下は目を覆うばかりでした。 ......
第68回~第69回「あっぱれ なでしこ!」
~あきらめない 心~ 第6回サッカー女子ワールドカップ ドイツ大会で日本女子代表が世界一に! おめでとう!すごいです!勇気をもらいました!ありがとう! 私はスポーツ観戦に目がありません。大リーグ野球、ゴルフ、ゴルフ等々時間さえあればたいていの中継は見るようにしています。中でも、男子ワールドカップがあるときは、家内ともども勝敗表を作成して、どのチームが勝つかをお互いに予想して、一喜一憂しています。(しかし、大抵日本チームも私の予想も予選敗退です。) 今回の女子サッカーの世界大会は、実はあまり関心はありませんでした。予選のイングランドに負けた試合を見ていて、「やはり体力ではかなわない。スピードでも負けている。勝つのは難しい。」と早々とチャンネルを切ってしまったくらいです。 ところが、3大会連続優勝を狙う地元ドイツを破ったというニュースを見て、「こりゃぁ、大変だぁ~!何かが起こるかも・・・」と直感したのです。 にわかファンの誕生です。 男子に比べ女子サッカーは不遇でした。日本リーグも企業に依存した実業団チームが主体であるため、近年の不況から次々と企業がチームを解散し、選手たちはサッカーを続ける環境を探すために苦労したと聞いています。 練習環境も不十分で、ジプシーのようにあちこち練習会場を捜し歩くこともしばしばだそうです。今回多くの選手が海外で活躍していることを知りました。国内での環境の困難さから活躍の場を海外に求めていることの結果かもしれません。こうした海外での経験が今回のチャンピオンを生んだ一つの要因にちがいありません。 ......
第65回~第67回「歴史に学べ」
~「に」と「を」の違い~ 今回の東日本大震災で東北の市町村は、街そのものが消えてなくなるほどの甚大な被害をうけました。そんな中、唯一と言ってもよいほど死者や倒壊がなかった村が存在するのです。岩手県普代(ふだい)村です。人々はこれを「普代村の奇跡」と呼んでいます。 今回はこれについて書いてみましょう。 岩手県宮古市から車で少し行くと、ワカメとコンブの養殖が産業の中心の人口3千人ほどの小さな村があります。今回の震災で、漁港にあった船600隻のうち550隻が流されたり壊されてしまいました。ところが、この村は震災後に船を見に行った人が一人行方不明なだけで、なんと亡くなった人がいないのです。 その理由は一体何か?それは高さ15.5メートルの水門と防潮堤でした。 この防潮堤と水門は、過去の悲劇を繰り返してはいけないと、和村幸得元村長が周囲の反対を押し切り完成させたものでした。 この村は、明治29年と昭和8年の大津波、昭和35年のチリ地震、36年の三陸フェーン大火、41年の集中豪雨と約100年の間に5度の大きな災害を経験しています。日本列島自体が災害の多いエリアですが、それでもこれほどの被害を短期間に受けている地域もありません。 わずか3千人ほどの村で、明治の大津波では1010人、昭和の大津波でも137人の犠牲者をだしています。「なんとかして村人を災害から守りたい」それが歴代の村長の願いでした。この歴代村長の願いを実現したのが和村元村長でした。 この防潮堤と水門が、村民の命と財産を守ったのですが、実は津波は15メートル以上ある水門を5,6メートルも超えてしまったのです。しかし、津波はこの水門に当たると勢いは減殺され、普代川をさかのぼるとやがて止まってしまい、普代村は被災を免れたのです。 防潮堤は昭和43年、水門は59年に完成しますが、総工費35億円超の、当時としては膨大な工事費が必要なことから、「これほど大きな水門が本当に必要なのか」「もっと小さなものでも十分なのではないか」等の反対意見も根強くありました。 ......
第61回~第64回「なぜ学ぶのか」
~塀の中の中学校~ 先週ある雑誌を見ていて、大変感激した投稿に出会いましたので、是非ご紹介いたします。 それは松本市立旭中学校桐分校元教官角谷敏夫先生の「ひとつ学べばひとつ世界が広がる」という文章です。 桐分校は、日本でたった一つしかない刑務所の中の中学校です。昭和30年設立といいますから、今年で56年になります。角谷先生は、この分校で33年間担任を務められました。角谷先生がなぜ普通の中学ではなく、桐分校を選ばれたのか。 まず、わたしはそこに興味がわきました。以下、抜粋です。 「中学の頃から教師を目指して高校、大学へと進学。ところが、いざ一生の進路を決めるという段になって、私は考え込んでしまいました。他の友人たちと同じように、このまま小中学校の先生になっていいんだろうか。自分がやってきた学問は何のためだったのだろうかと自問し始めたのです。 父は長い闘病生活を経て、私が小学校六年生の時に亡くなりました。以後、貧しい生活環境の中、母が懸命に働き、五人の兄弟を守り育ててくれました。 (中略) そのように、私が学問を続けられたのは母や兄たちの応援、近所の方々の応援、そして社会からの応援があったのです。そうまでして自分が学んできたのは何のためだったのか。普通の中学校や小学校の先生になることなのだろうか。いま一番勉強を求めている人たちは誰なのか・・・自問を繰り返した結果、今学びたいと思っているのは、いま教育を最も必要としているのは、犯罪に手を染めてしまった青少年ではないか、という結論に行き着きました。」 角谷先生は、決断すると、法務省人事課に電話を入れ、試験にもパスして赴任がきまりました。赴任前の挨拶に行くため、スキー客で込み合う鈍行列車に乗り、雪が舞う諏訪湖を見ながら彼は決意します。 ......
第60回「建設と破壊」
東日本大震災から1ケ月以上が経過しました。 福島原発も原子炉が落ち着くまで、まだ半年以上かかるとの報告もでており、避難している方々も長期の避難生活を覚悟しなければならない状況です。 被害の全貌はまだ明らかとは言えず、行方不明者もまだ一万人以上もおられます。 新聞の紙面やテレビのニュースにこの震災が割かれる割合は、これからどんどん減っていくでしょう。もちろん一日も早く日本経済が立ち直るためには、被災を免れた地域が復興を助けていくしかありません。しかし、私たち日本人は片時も被災者の方々の苦労を忘れて日常を送ってはならないと思います。 ファインズ・グループでもこれまで2回日本赤十字社に対し、ささやかではありますが義援金を送ってきました。 また、4月17日の読売新聞の「役立ちたい」欄に、学習机・椅子各50の無償提供を申し出ています。被災地の学校で使っていただければと思います。 復興まで「長い戦い」になることは間違いありません。ファインズ・グループとして今後も物的な支援をしていくことは勿論ですが、教育に携わる者として子供たちと一緒に「豊かさを残された者の責任」ついて考えていきたいと思います。 その一つとして、4月24日国分寺国際協会の増田加代子さんをお迎えして、「ヒューマン講演会」を国分寺(10時)と青葉台(14時)で開催します。 増田さんはネパールに対し、文具等の支援、学校建設、井戸掘り等々の幅広い支援を長く実施され、その貢献に対し大統領からも感謝状が与えられている方です。 アジア最貧国のひとつであるネパールの状況を知ることにより、自分たちの恵まれた環境に感謝の気持ちを持ってもらいたいとの想いから開催しています。そして、その気持ちが東北の被災者の方への想いにもつながることを祈っています。 ......





