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第40回~第41回「三上」と「三中」
昨今の子供事情 最近の子供たちを見ていて感じることがあります。 今年のサマーキャンプで、授業の様子を見て回ったときのことです。 小学校4,5年生がグループワークをしていました。生徒は数人でグループを組み、ひとつの課題でディベートをしているところでした。私は授業の邪魔にならないように後ろのドアのところでしばらく見ていました。しばらくして「あれっ」と思いました。 人間とは面白いもので、数人が集まると自然にリーダーシップを取るものが出てくるものです。これは小学生ではとても顕著に現れ、その日初めて会った子供同士でも、何か課題を与えてみれば、その中で指導的役割を発揮する生徒が必ず現れます。いや、これまでなら現れていました。入社試験や中高一貫校の入学選抜方法としてグループワークを取り入れている企業や学校が多いのは、この選抜方法がリーダーシップをはかるのに適しているからでしょう。 ところが、このとき主導的な役割を取っている生徒がいないグループがあるようなのです。それもひとつやふたつではありません。ほとんどのグループで作業が進まず、生徒はただ突っ立っているだけなのです。教師も最初は生徒の「自立」を促していましたが、痺れを切らし、とうとうアドバイスを出し始めました。 その様子を見ていてわかったこと。それは彼らは理解していないわけではなく、また、意見を持っていないわけでもないということです。なぜなら、教師の一押しで動けたのですから・・・ 今このような生徒が非常に増えているのではないかと危惧しています。「マニュアル人間」が増えたということは、企業の人事担当者からよく聞きます。しかし、その「マニュアル人間」ともどうも違うようです。「マニュアル人間」は、マニュアルの範囲を出ないにしても、少なくとも「動き」はあるのです。ところが、このときの生徒たちはそもそも「行動」そのものがないのです。われわれファインズの理念である「四自の教育」を実践することが、今こそ要求されるときはないとつくづく感じた次第です。 行動に移せない子供たち 先日ある新聞を読んでいたら、これと全く似たような子供の記事が出ていました。 ......
第37回「論語素読」
~頭だけでなく、「心」も磨こう!~ ファインズでは開校以来「四自の教育」を掲げ、「知育」の一貫として、「自然体験教室」「理科実験教室」社会人を招いての「ヒューマン講演会」に早くから取り組んできました。しかしながら、経済的な「豊かさ」に反比例するかのように、年々子供たちの「心の豊かさ」は失われているように感じています。 「家に三声あり」といいます。NHKドラマの影響か、現在「龍馬ブーム」ですが、昔、わが国には家庭に「声」が満ち満ちていた時代がありました。幼子の泣き叫ぶ「声」。父や母の生活感あふれる「声」。そして、子供が端座して「論語」を素読する「声」。 ITによる情報が氾濫する一方、「生の声」はますます希薄になっている気がしているのは、私だけではないと思います。 PISAテストの順位が大きく低下していることもゆゆしき問題です。しかし、子供たちに「精神的支柱」が欠け、彼らの「精神」が「何のため」がわからず浮遊している状況で、どうして「知識」を「見識」に変えることができるでしょうか。 こんなときこそ「先哲の声」に耳を傾けてみるのもいいかと思い、この講座を思い立ちました。まずは、「子供の声」の再生から始めたいと思います。 希望者は必要事項を記入し、8月27日までにファックスしてください。 申込は先着順とし、定員になり次第締め切ります。 ~第1期生 実施要項~ ......
第35回~第36回、第38回~第39回「鯨の曲芸」
~マネジメントの極意~ 不思議なこと 私は以前からずっと不思議に思っていたことがありました。それは、「高層ビルの建設時のクレーン」です。高層ビルを建設するとき、資材を運ぶクレーンがビルの最上部にあります。ビルが高くなるにつれてクレーンも高くなっていき、とうとう完成したときは最上階にそびえています。 ところが、「完成したのかな」と思ってふと見ると、昨日まで天をつくようにそびえていたあのクレーンが、忽然と姿を消しているではありませんか。 「いったいあのクレーンはどうなったのだろうか?」 「どうやってあの巨大なクレーンをこんな短期間で取り外したのだろうか?」 ずっと不思議に思っていました。あるとき建設会社に勤務する後輩に聞いてみました。納得しました。皆さんはどうやってクレーンを取り除くと思いますか?一度調べてみてください。 さて、8月に入り「真夏日」が続いています。ご家族で「水族館」に行かれる方もいると思います。私も何度か行ったことがあります。見所はいろいろありますが、 子供たちに人気があるのはなんといっても「イルカの曲芸」でしょう。「水族館」によっては、「シャチ」や「鯨」のジャンプ・ショーまであります。 最前列になどいれば、着水のときにずぶぬれになってしまいます。(これがまた子供たちにとっては楽しいのですが・・・) 私はずぶぬれになりながら思うのです。「あの巨大な鯨やシャチをどうやって教え込んだのだろうか?」と・・・ ......
第31回~第34回「脱「ゆとり教育」を考える」
今回は「ゆとり教育」の見直しについて考えてみましょう。 2011年度は小学校で、2012年度は中学校で新指導要領が全面的に導入されます。すでに小学校では移行措置として導入が始まっています。新聞報道等で導入されることは知られていますが、一般的には内容まで知られていません。 そこで、できるだけわかりやすくポイントを絞って解説してみることにします。 いまなぜ脱「ゆとり」なのか 今回の「ゆとり教育」見直しについて述べる前に、そもそも「ゆとり教育」を導入した経緯について簡単に振り返ってみることにしましょう。 2002年完全学校5日制と「ゆとり教育」導入 1998年12月、当時の文部省は「ゆとり教育」の名の下に、2002年度より完全学校5日制を導入し、同時に大幅なカリキュラムの削減を骨子とする「新学習指導要領」の実施を宣言しました。当時の学校現場では「学級崩壊」「学校崩壊」「落ちこぼれ生徒の増大」「不登校児の増大」「校内暴力の増加」「いじめの陰湿化」「中途退学者の増加」等々数多くの問題を抱えていました。 このような病理現象を生み出している原因が、「受験戦争」と「過重なカリキュラム」であるとの認識から、文部省は中央教育審議会に対し、指導要領の見直しを要請したのです。 その結果、「教科書が3割薄くなった」と言われるほど大幅に重要な単元が削減されました。しかし、実際に発表された要領を見ると、削減単元に一貫性が欠け、削減された単元以上に「練習問題」がカットされていることから、教育現場は「これでは定着のために必要な練習問題が足らない。返って落ちこぼれを増加させる」と警鐘を鳴らしました。 そして、その警鐘が現実のものとなり、10年を満たずして「ゆとり教育」は見直されることになったのです。 ......
第27回~第30回「願いの中に 自分が生かされている」
私はある月刊誌を年間購読しています。その中にポケットブックが入っているのを見つけ手にとって見ました。 そこに東井義雄さんという生涯を教育にささげた人の話が載っていました。 その中の心温まる話です。原文のまま掲載します。 『私は主人が早くに亡くなりました。 女の子一人の母子家庭だったんですけど、主人が亡くなってから、くず屋の仕事を続けて、女の子を養いました。』 幸い、小学校のころは、いい子だ、やさしい子だと、皆さんから誉めていただいていたんですが、中学校になってから、ぐれ始め、とうとう中学二年の時には警察のお世話になるようなことになってしまいました。 あのいい子だいい子だといわれた子が、なぜこんなことになったんだろうか、どう考えても分かりません。 それが偶然わかったことですが、『いくら勉強できるからといって、くず屋の娘やないか』といわれたことが大きなショックになって、『お母さんがあんな仕事やっているから、いくら勉強やったって、みんなからバカにされる』と考え、それからぐれはじめたということがわかりました。 しかし、このくず屋の仕事をやめてしまっては、もう今日からの暮らしに困ってしまいます。 かといって、ただ一人の女の子が、こんなことでは、亡くなった主人に申し訳ございません。 ......
第25回~第26回「発想の転換」
(第25回) あるアメリカの工作機械メーカーが、家庭用ドリルとして4分の1インチのドリルを作りました。 ところが、たいしたマーケッティング調査もせずに作られたこのドリルは家庭用のものとしてはめずらしく爆発的なヒット商品となったのです。 そこで、なぜこのドリルが売れたのかが検討され、役員会でも話題になりました。このとき、この会社のCEOはマーケッティング担当者の報告を聞いて、こう答えたといいます。 「昨年度、4分の1インチのドリルが10万個売れた。これは、人が4分の1インチのドリルを欲したからではなくて、4分の1インチの穴を欲したからである。」 このCEOの言葉がヒントになったのでしょう、マーケット担当者は各家庭でどのような大きさの穴をあける需要があるかを調査しました。 その結果、出来上がった商品は、「本体は1つ、多様な替刃をもつドリル」でした。インチごとのドリルを売るのではなく、ドリルの刃を替えることにより、各家庭での幅広い需要に応えることができるドリルを作ったのです。 この商品は市場を席巻しました。(100万台以上売れたといいます。) 今でこそ、日用大工の商品としては当たり前のようにDIYスーパーの商品棚に並んでいるドリルですが、その背後には一人のCEOの発想の転換があったのです。 この話は、顧客は製品を買うのではない。製品がもたらすベネフィット(便益、利便性)に対する期待を買うのだというレビットの主張を端的に表していると思います。 ......
第20回~第24回「どうしたら「やる気」がでるのか?」
~モチベーションとは何か~ 古今東西、あらゆる教師・保護者が腐心するのは「どうしたら生徒(子供)がやる気を出して、学習してくれるのか」という点でしょう。 これは一人でも部下(子供)を持つ立場にあるものが、与えられた仕事(役割)から目をそらさずに目標(希望)を達成しようとすれば、必ず突き当たる大きな壁ではないでしょうか。 今回はフレデリック・ハーズバーグの有名な論文「モチベーションとは何か」を参考に、生徒(子供)をやる気にさせるヒントがないかいっしょに考えてみたいと思います。 ハーズバーグって誰? ハーズバーグはアメリカの臨床心理学者(元ユタ大学教授)です。彼の論文(1968年)で主張された欲求に関する「二要因理論」は、 ハーバード・ビジネスでも最多の100万部以上のリプリントを記録しているほどです。 彼は人間のモチベーションを、動物的な欲求あるいは経済的な欲求(衛生要因あるいはメインテナンス要因)と、心の奥底にある向上心を満たす欲求(動機付け要因)とに分け、 「やる気」という心理的・抽象的分野を行動科学の面から分析したことにより、この分野の第一人者の評価を得ている学者です。 では、彼の論文をのぞいて見ましょう。 ......
第19回「ああ、勘違い!」
入試も一段落しましたので、少し今回はやわらかい話に変えてみましょう。 過日都内に所用で出かけたときのことです。用も終わり遅い昼食をとろうと一軒のラーメン屋に入りました。 たまたま飛び込んだ店でしたが、どうらや人気店であるらしく、13時も回っているのに店内はほぼ満席でした。 空いている席を見つけ、周りの人の注文をみながら、この店の人気メニューをさぐり、注文をしました。 私のテーブルの隣に若いアベック【どうやらこの言葉はすでに死語のようで若い職員からは、「代表!いまごろアベックなんていう人いませんよ!」と言われてしまいました。)-今風にいえば、「カップル」-】が仲よさそうに座っていました。 ギャル風の女の子:「すいませーん。すみれがきてないんですけどー。」 カウンターの店員:無視。聞こえていないかのよう・・・ ギャル風の女の子:「すいませーん。聞こえましたぁー」 カウンターの店員:「はぁ、なんでしょうか」 ギャル風の女の子:「すみれがまだなので、もらえますか」 ......
第17回~第18回「燃え尽き症候群にならないために」
~意味のない結果などはない~ 中学入試も終了し、高校入試もあとは県立・都立の入試を残すのみとなりました。 早いもので、ファインズでも6回目の卒塾生を送り出すことになりますが、毎年この時期は悲喜こもごもの風景があちこちで繰り広げられます。 大手の塾とは違い、ファインズでは少人数制による細やかな指導により、今年も二人に一人が難関・最難関中学に合格することができました。 ファインズのスタッフは、全員を第一志望校に合格させるため全力で指導していますが、残念ながら「夢」をかなえられないご家庭もあります。まず受かるだろうという生徒が落ち、試しに受けるだけ受けてみようかという生徒が、偏差値で15以上の学校に合格したりと、「天」はなんと気まぐれなのだろうかと毎年思います。 30年近くも「受験」と付き合ってくると、いろいろな場面に遭遇します。 【お子さんを塾に毎回車で送迎し、お弁当を作り塾に届け続けること3年。いつの間にか母子一体となって模試の結果に一喜一憂して迎えた入試。結果は第一志望校に不合格。母親はこの結果を受け入れられずに、虚脱状態に陥り、夫の非協力的な態度が不合格の一因だと責め、家庭内別居の状態に・・・】 【代々続く開業医を継がせるため、嫁として、どうしても医学部進学ができる進学校か医学部のある大学付属校に入れなければいけないとのプレッシャーから、無理な併願パターンを組み全滅。そのため母親はうつ病に・・・】etc. このような例は高校入試ではあまり見かけません。しかし、中学入試では、これに近い状況は珍しいことではありません。 では、なぜ中学入試に多く見られるのでしょうか? ......
第11回~第16回「受験は「子離れ」「親離れ」の好機」
~サル化する子供たち~ あけましておめでとうございます。今年もファインズ・グループをよろしくお願いします。 一昨年の「リーマンショック」をきっかけにしたいわゆる金融不況は、今年になっても収まる気配もなく、かえって「デフレ不況」が今後も続くという暗い予想で2010年の幕があけました。 しかし、このような時期だからこそ夢を失わず「目線」を高く持って頑張っていくことが大事ではないでしょうか。 さて、1年単位で子供たちを教えていると見過ごすことも、10年、20年単位で子供たちをみると「ある変化」に気がつくことがあります。 そこで、今回はここ数年気になっている「ある変化」を取り上げてみます。 「ゆとり教育」の影響か、大学生でも四則計算のうち、掛け算・割り算を先に処理するということさえ知らないというショッキングな記事が出ていました(読売新聞1月5日付朝刊)。 今やそういう記事が当たり前のようになったという点で、日本の教育事情は危機的な状況にあると言わざるをえません。 こうした学力上の問題は別の機会に取り上げることにして、今回は精神的自立の問題について書いてみたいと思います。 「親離れ」の時期が一昔前と比べて大変遅くなっています。「引きこもり」「オタク化」「社会性の欠如」等々の子供たちの問題行動の根底には、こうした「親離れ」の問題が実は潜んでいるのではないかとう気がしています。 ......





